現状は?
2020年から小学校の英語が変わり、大学入試でもSpeaking を含めた4技能が課されるようにありますが、現在の中学生・高校生の状況がいかがなものなのか調べてみました。
文科省の平成28年度「英語教育実施状況調査」http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/04/07/1384236_01_1.pdfを参考に考察していきたいと思います。
この調査によると、高校3年生のうち、英検準2級以上を取得又は相当の英語力を有する生徒の割合36.4%(平成27年度34.3%)中学3年生のうち、英検3級以上を取得又は相当の英語力を有する生徒の割合36.1%(平成27年度36.6%)とあります。普段中高生を教えていてこの数字は妥当な線だなと思います。この数値、裏を返せば約65%の子が中学なり高校なりで身に着けるべき英語力に達していないことを示しています。
英語の授業が文法中心から発話聞き取り中心になるというものの、生徒の負担がどの程度軽減されるかどうか未知数ですね。しかも、履修するべき英単語数は倍増します。はたしてどの程度英語検定に合格する子たちが増えるのでしょうか?現況からして一抹の不安を覚えます。
英語で授業?
2020年からは高校に加え、中学でも英語の授業は英語で授業することになっています。こうなると教える側の英語力も問われる事態になります。CEFRB2レベル(英検準1級程度)に達している教員は、高校で62.2%中学で32.2%です。この数値が多いのか少ないのか僕にはよくわかりませんが、何となく「英語で授業する」には心もとないような気がします。自分はどうなかと自問自答してみますが、たぶんぎりぎりB2のラインにはいっていると思います。折を見て英検なりTOEICなり受検せねばです。
※CEFR とは、Common European Framework of Reference for Languages の略。 語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格。欧米で幅広く導入され、6つのレベルが設定されています。
本当に英語が必要なの?
今回の英語教育改革には、いろいろな方面から異論も出ています。「英語を学ぶ前に母語(日本語)の習得と論理的な思考力の育成を先にすべき」とか「必ずしもすべての日本人が英語をしゃべれるようになる必要はない。必要に感じた人だけが学べば良い。」などといった意見です。実は、僕もそう思っています。これらの意見にはとても共感できます。
しかしです。2020年の英語改革は全ての子供たちに降りかかる大問題です。好き嫌いは言っていられません。英語が評価の対象になり、受験の合否に大いにかかわってきます。僕は塾人として、英語が得意な子もそうでない子も、全力でアシストしていくつもりです。
How should we learn English?
僕自身が英語嫌いで苦手だったからこそ知っている学びのツボがあります。それは「音」です。しかも、文全体の音です。昔から言われている「r」「l」の発音「th」の発音なども大事ですが、あまりそこにはこだわらない。むしろ、文全体での強調・抑揚・音の消滅などに気を配るべきです。ネイティヴのような流暢さをもとめるなら話は別ですが、日本人が身に着けるべき英語とは、通じる英語、すなわち、コミュニケーションツールとしてのグローバルイングリッシュであると思います。その点からも、文全体で英語の音に慣れていくトレーニングが必須になるのです。
今、僕自身を実験台にして新しい2つの英語音声トレーニングアプリで英語を再学習しています。せっかくICTが発達してきているのにこれを使わない手はありません。一つ目のアプリは「Dig」といいます。もう一つは「FunGo」です。スピーキングの習得には「質」「量」2つを充実させる必要があります。これらのソフトを使えば、自然と質量ともに確保できる学習が可能なのではないかと考えています。まずは自らモルモットになってどの程度の学習効果が表れるのか検証途中です。
学習効果についての報告は今後していきます。それでは。